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Author:うなりずし
80年代生まれ。北国在住の男子。 漫画と音楽に日々の時間の大半を委ねている。
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ノロイエ
『ノロイエ』というDVDを借りて、観てみた。 「現実なのか虚構なのか判然としない宙ぶらりな感覚が楽しめるフェイクドキュメンタリーホラー」を期待して観始めたんだけど、冒頭5分で期待が見事に裏切られた事を実感できる、驚異の低クオリティ作品。 内容は要約すると以下のような感じ。 「欠陥住宅」について取りあげる事が主旨の報道番組に、オカルティックな現象が頻出する不気味な家の映像が流れる。パニックに陥るスタジオ内の様子と、オカルトな家の雰囲気に侵されたかのように徐々に狂っていく家族を捉えたドキュメント映像が交互に映し出されていく、その奇妙な番組の様子が全体の軸になっていて、その前後には「この番組はヤラセや作り物では無い」という事を説明するような解説が入るという構成。 そのアイデア自体はまあ良い。料理のしようによっては十分面白くなりうる題材だと思う。 でも、その料理の方法の酷い事酷い事。 カメラワークはそれなりにドキュメントものの定石を踏まえているんだけど、いかんせん台本及び演技が面白すぎる。 肝心の「報道番組」は、まるでコントのようなセットで、出演者の台詞はありえないぐらい説明的なのに、そのくせ何も説明できていないようなグダグダでフワフワした代物。そんな台詞を、安直な演技で、しかも噛み噛みで消化していく俳優たちの姿は、制作者の意図とは別の意味で実に壮絶だった。 「低予算でもアイデア次第で面白い映画は作れる」 オーケイ、確かにそれは一理有る。でも、アイデアを精密に実体化するだけの技術と意欲が無ければ、低予算ってのは純粋に足枷にしかならないのだな。 とは言え、このクオリティの低さは逆に金を払って観るに値する出来だと思うので、入手が比較的容易な今のうちに観ておく事をお勧めする。この、何とも言えない「つかまされた!」感を是非皆さんにも味わって頂きたいものだと思う。
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(2006/07/04(火) 02:33)
遊びの時間は終わらない
モックン主演の15年ぐらい前の日本映画。監督は『ミナミの帝王』で御馴染みの萩庭貞明。脚本は後に安室主演の『That's カンニング』やら『シャ乱Q 演歌の花道』やらを手がける斉藤ひろしで、原作は小説新潮の新人賞を受賞したものの、それ以降は本一冊にまとまるぐらいの作品が書けないでいる作家の作品。 こうやってデータだけを書き出してみると、どうしたって面白くならなそうな映画なのに、どうしたわけか奇跡のように面白いのが、この『遊びの時間は終わらない』。 モックン演じる真面目で愚直で融通が効かない警察官が、ある日「防犯訓練」で、銀行強盗の役を演じる事になったのだけれど、あまりにも真面目にその役を演じきろうとしてしまった余りに、完璧な銀行強盗になってしまって、いつまで経っても「訓練」が終わらない、というお話。 犯人役のモックンは「自分はあくまでも凶悪な銀行強盗犯なのだから、それ相応の行動を取らなければいけない」と意識した上でガチガチに設定したルールに従って凶悪に行動し、それを捕まえようとする警察側も「相手はライフルを持ち、人質を持った凶悪犯なのだから、下手に刺激できない」というルールに沿って行動する。さらにこの両者に加えて事件をリアルタイムで報道するメディアが介在する事によって「警察は、メンツを守るために犯人役のモックンに『上司としての権力』を振りかざして投降させる事が出来ない」といった制限が課せられる。つまりこの映画で描かれているのは仮想的に構築されたルールを、各々が遵守しながら行われる「真剣な遊び」だ。「真剣な遊び」ゆえに、真剣さが増せば増すほど面白くて仕方無くなる。 ぶっちゃけ、映像としての面白さは殆ど無いので、単純にストーリーだけを楽しむ事ぐらいしかできないのだけれど、それでも週末の暇潰しとしては十分に機能する作品だと思う。モックンは今観てもかっこいいし。
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(2006/07/01(土) 02:42)
詳しくお勧めできない映画
「『運命じゃない人』という映画は面白いらしい」という情報しか得ていない状況で観たんだけど、びっくりするぐらい面白かった。ていうか、びっくりした。 この映画に関しては、amazonのカスタマーズレビューとか、DVDパッケージの裏の情報とか、そういう前知識は一切入れずに観るのが一番良いと思う。DVDの特典映像に予告編も収録されているんだけど、それすらも観ない方が良いぐらい。
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(2006/06/28(水) 11:46)
ウパー
you tubeに『北京原人〜who are you?〜』の映像があった。 これはもう歴史的資料! どうしようも無い脚本を、全力を尽くして少しでもマシなものに仕上げようとするスタッフ達の姿に涙が止まらない。 ちなみに僕は『北京原人』はテレビ放送時に一回だけ観たっきりなんだけど、視聴時に書いた日記がまだ残っているので、転載してみようと思う。『北京原人〜who are you?〜』を見る。面白い映画とはこういうものかと思った。 タイトルからしてアホだ。 who are youて。 あと、丹波さんキレすぎ。「人類が神になるのだ」とか叫んでいて、もう最高。緒方直人の「原人と同じ仲間だって示すんだ」と言って服を脱ぎだしたシーンにはびっくり。 中国勢も頑張ってた。ジェイ・ウォンがあんな美人なのに凄いね。脚本を見た時、絶対に投げ捨てたと思う。しかも役名「美々」って、ベタすぎ。 名前と言えば原人の名前を勝手に決め付けるシーンには笑った。「ケンジ」って、普通すぎる。 でも、一番凄いのはラストシーン。マンモスいらんやん。 あと「走れーっ!走れーっ!自由になれーっ!」には大爆笑。
中学生が、誰かに見せるわけでもなく勝手に書いただけの日記なので、読んでもあまり面白い文章では無いけれど、「何か凄いもの見ちゃった!」っていう気分だけは何となく伝わると思う。
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(2006/06/18(日) 00:34)
嫌われ松子の一生
びっくりするほどお金が無いのに、『嫌われ松子の一生』を観に行ってきた。女の子から「一緒に観に行こう」と誘われたからだ。悔いは無い。そもそも、1000円やそこらを倹約した所で、どうにかなるレベルの赤字でも無いんだ。 感想 膨大な情報量が、めくるめくスピード感が、様々な技術を駆使して加工されまくった映像のクオリティが、中谷美紀のぶっちぎれた演技が、エネルギッシュな歌と踊りが、渾然一体となって強烈なエネルギーを放出する「すごい映画」だった。好き嫌いは分かれる作品かも知れないけれど、「すごい映画観た」って気分になれる事は保証できる。 ストーリーは、ミュージカル仕立てで、まるでディズニー映画のようにとびきりポップかつドリーミーに描かれている。とは言っても、何せヒロインが悲運な死を遂げるファーストシーンから始まる映画なだけに、展開はそれなりにディープだし、正直途中で観てるのが辛くなるシーンも有る。 だけど、『嫌われ松子の一生』は、決して救いの無い映画ではない。むしろ、ラストにおいて全てが救済され祝福される、愛と慈悲に溢れた映画だった。ここで描かれている愛は、ハードコアに悲惨な人生を華やかな歌と映像でごまかす事によって生まれた錯覚かもしれない。単なる妄想に過ぎない可能性だって有る。 でも、錯覚や妄想が無意味だなんてのは嘘だ。最初は錯覚や妄想だとしても、それによって救われるのであれば、そこにはきっと真実以上に価値がある。 あくまでも観客を楽しませるエンターテインメントを志向しながら、宗教的な神々しさすら漂わせる、怪物的な傑作だと思う。映画館で観て良かった。
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(2006/06/01(木) 22:53)